次郎物語

今朝のニュースで『次郎物語』の舞台となった小金井市緑町の浴恩館公園内の「空林荘」が全焼したというニュースがあった。ここ最近、自分にとって不思議な縁がある場所が火事になってしまう事件が多いので驚いた。(つい先日も大好きだった、そして大切な思い出の「神田薮そば」が全焼した)
じつはこの『次郎物語』は、小学生の頃遊びにきた叔母がプレゼントしてくれた作品で、当時はあまり面白うそうではなくて読まないでそれきりになっていた。やっと、最近になって青空文庫で見つけたのでダウンロードして読んでいた最中であった。
なぜ、叔母がプレゼントしてくれたのかは、冒頭3−4ページで判然としたのだが、主人公の次郎は誕生日が同じなのである。
小さい子どもの自我の世界が生き生きと描かれていて、自分でも忘れていた子どもならではの世界がひしひしと伝わってくる。作者の下村湖人はもともと教員をしていたようで、晩年はユースホステルの原型となる青少年育成の関連施設に尽力したらしい。
子どもには子どもの世界観がしっかりあるのだということを、大人は忘れてはいけないと、読みながら多いに反省するのであるが、ようやく第一部を読み終えたところでのニュースである。
youtubeで探してみると、映画化された作品も見ることができる。改めて見ると、懐かしい原風景があり、心が洗われるようだ。