プログラム

モーツアルト 2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 独奏:パウルグルダ(p)/リコ・グルダ(p)
モーツアルト アダージョとロンド 独奏:ルノー・カプソン(vn)
グルダ チェロ協奏曲 独奏:ゴーティエ・カプソン(vc)
モーツアルト ピアノ協奏曲第20番 独奏:マルタ・アルゲリッチ(p)

アルゲリッチの師であるグルダを思い出すという趣向の会であるので、グルダの二人の息子も登場し、かつグルダの作曲したチェロ協奏曲も演奏された。グルダのチェロ協奏曲はドラムあり、ギターありの変則的な編成で演奏される曲で現代的な作風でありながら、不協和音ばかりの現代曲とは違い、ポピュラーな感じで楽しめる曲であった。
最後の曲20番のコンチェルトは、アルゲリッチの堂々とした演奏で、各楽章を間髪を入れず演奏し、一気に駆け抜ける感じでまとめられた感動的な演奏であった。
バックを盛り立てる新日本フィルとアルミンクも、アルゲリッチのピアノの邪魔をすることなく、うまく引き立てながら演奏されていて曲全体をうまくまとめていた。
また、独奏者であったカプソン兄弟もオーケストラに入って演奏するなど趣向を凝らしていたところが憎い演出であった。
アンコールでは、アルゲリッチカプソン兄弟によるベートーヴェンの三重協奏曲の終楽章で、大盤振る舞いの演奏会となった。
演奏後、感動した聴衆が立ち上がってスタンディングオーベーションを見せていたのが印象的であった。
すばらしい演奏会であった。