2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧
シェイクスピア全作品中、最も残虐で暴力に溢れているという悲劇、復讐劇。 ローマ帝国の英雄タイタスの凱旋とともに始まる物語は、人望も厚かったタイタスが 皇帝の座を譲るも、譲った皇帝が戦利品として連れ帰ったゴート族の王妃に惑わされ、 王妃とそのム…
哲学自体日本の思考形態にそぐわないと言いきる木田元の哲学論。 口述をまとめたらしいが、この内容が口述されていること自体すごい。 前半のギリシャ哲学で展開される、ソクラテス、プラトン、アリストテレス哲学の 違いはわかりやすい。新聞の書評を見て読…
『リチャード3世』ヘンリー六世 第一部 (白水Uブックス (1))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見るヘンリー六世 第二部 (白水Uブ…
丸善で見かけ購入。米澤穂信作品は『犬はどこだ』『ボトルネック』でも意外な ストーリー展開で楽しませてもらったが、今回は本格的なミステリー作品。 12人が破格のアルバイト料金につられ参加した密室でのアルバイトは、殺人を 犯す仕掛けの中で過ごす一…
下町を舞台に、昭和の香りを漂わせながら展開される、不可思議な短編連作。 登場する人物が、各作品の中で少しずつ接点を持ちながら、それぞれに味のある 物語となっていく。強盗殺人のあったラーメン屋をじっと見つめる人物、古本に はさまれた栞を介した、…
ある日「となり町」との戦争が静かに勃発。なんと主人公の僕は町役場から敵地偵察 を任ぜられる。戦時下の実感を持てないまま、その任務を遂行する僕。 役所的な、じつに役所的な手続きを、言われるままに受け入れ必死に任務をつづける 主人公に、こうやって…
97年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞(エドガー賞)を受賞。98年の 「このミステリーがすごい!」の海外編で第2位にランクインされている。 物語は、老弁護士ヘンリーが昔を回想しつつ、当時の様子を織り交ぜながら進められる。 ヘンリー…
イギリスからソ連まで戦時物資を運ぶ護衛を命ぜられるユリシーズ号。立ちはだかる 前例のない嵐とドイツ軍による潜水艦攻撃、航空機攻撃は傷ついたユリシーズと乗組員に 過酷に執拗に迫りくる。海洋小説の金字塔との評判の作品だが、前触れもなく突然襲い掛…