春宵花影図♪国立近代美術館

今日は月初めの日曜日なので、国立近代美術館が無料。風邪の具合も良くなったので出かけることにした。
一ヶ月ぶりの美術館は模様替えがされていて、またいろいろな絵と出合えた。
今日、瞬きせずにじーっと見つめてしまった絵がある。松林桂月(マツバヤシケイゲツ)の『春宵花影図』(しゅんしょうかえいず) 1939 墨画 である。墨の濃淡だけなのに夜桜がまさに手にとれるようなリアリズムで迫ってくる。すごい!!微妙な色の変化により桜が生きている、生命力がしっかり感じられるのである。ずっと見ていても飽きない、至福の時間となった。
実物の迫力までは伝わらないけど参考までに↓
http://www.npokyoto.or.jp/antas/keigetu_photo/kanshou/shunshoukaei.htm
他にも、こんな絵画にしばし心を奪われた・・・
山本森之助 『曲浦』1908 油彩 遠くから望む穏やかな海の藍、潮の香と暖かな日差しを感じる。
和田三造『南風』1907 油彩 逞しき漁師の筋肉、仕事をやり終えた開放感が伝わってくる。
藤島武二『うつつ』1913 油彩 黙っていてもわかる、そんな親近感が初めての出会いなのにそこにある。
石井柏亭『草上の小憩』1904 油彩、オイルパステル ゆるやかな時間の流れ、家族といる安心感。
大下藤次郎『穂高山の麓』1907 水彩、鉛筆 自然の空気、川のせせらぎの音をとじこめた水彩画。
田英夫『サーカス』1937 油彩 コケティッシュな人々からやさしさが伝わってくる。

今日は、また新たな発見があった。ブルックナーを聞きながら美術館を廻っていたのだが、原田直次郎『騎龍観音』1890 油彩の絵と聴いていた音楽がじつに見事にマッチした。ブルックナーの8番1楽章であった。3楽章はどうかと変えてみた。3楽章もいいがどうも強すぎる。イメージを音楽が強調しすぎて、怖くなってしまう。1楽章あたりでちょうどよさそうだ。音楽と絵画・・うまく合うと新たな感じ方ができるとあらためて思った。そういえば、昔テレビを見ていて、現代社会を髣髴とさせる映像のバックに、現代音楽が流れていたとき、じつに自然に自分の中に入ってきたのを思い出す。音楽だけだと抵抗がある曲がみごとにイメージに合っていた感覚・・・それに近いのか。ブルックナーの音楽とイメージについて考えてみよう・・・