読了『天使のナイフ』

天使のナイフ

天使のナイフ

昨今の凶悪犯罪の低年齢化で、少年法の改正論議が高まった時期があったが、この本も
たぶんその頃の社会情勢を反映させたものだろう。
少年が犯罪を犯しても、刑に処せられないことと、被害者の家族の心境のギャップは
大きい。犯罪を犯した少年たちの人権と被害者家族の人権を計りにかけるジレンマがこの本の
テーマでもある。
謎が謎を呼び、ストーリーの展開も小気味よいので二日で読み終えてしまった。
人物相関をひねりにひねってあり、最後は作者に上手くはめられたなと思ったが
最終場面は意外にくどく「えっこいつもかぁ・・・」と驚かされる。ここまでくると
行き過ぎではないかにゃ?頭を抱えてしまったが、全体的によく出来た作品であった。