ショスターコヴィッチ♪

都響の芸術家の肖像シリーズ「ショスターコヴィッチ」を聴きに東京芸術劇場へ。
今回このシリーズの連続チケットは、指揮者のすぐ後ろの席。1列目である。
この位置だと、曲全体の音の広がりが掴みにくいのだが、逆にいろいろと面白いことを
発見してきた。
本日の演目は弦楽四重奏8番を弦楽合奏バルシャイが編曲した室内交響曲。チェロ協奏曲
交響曲第5番であった。
初めて聴いた室内交響曲は、実に面白い曲であった。主要動機はDSCHと作曲者のイニシャルに
なっているそうだが、作曲当時作曲者に向けられていた政治的圧力に屈する自分自身のレクイエムと
されているだけに、陰鬱に始まり、不可解なから元気の様相を呈したりと実に意味深長な曲想であった。
帰宅後、インターネット配信で聴きなおしているが、不思議に印象に残る曲だ。5楽章の曲だが1,4,5楽章
がラルゴというのも珍しい・・・・
2曲目のチェロ協奏曲1番。チェロは中国生まれで、芸大付属高校に留学していたという趙静(チョウ・チン)
目と鼻の先での演奏で、指遣い、弓遣いの迫力に圧倒された。高音部は指板の端まで達する実に高度のテクニックを
要する曲だということがよくわかった。到底まねが出来ない・・・・せめて弾けて主題くらいなもんだ。
特に終楽章では、そんな弾き方をしていたのか・・・とあっけにとらわれるほどのものすごい演奏技!!
超絶技巧とはこのことだと納得。
3曲目の5番は、演奏前に期待するものがあった。この曲の演奏をいくつも聴いてきたが、自分の好みはニューヨークフィル
バーンスタインの圧倒的なテンポの演奏であり、そのバーンスタインの愛弟子が今日の指揮者デプリーストだからだ。
本日の演奏は期待通りだった。同じく都響佐渡裕氏が指揮をした5番もものすごい迫力を感じたが(そのときは前から5列目)
今日のデプリースト氏の指揮は、さらに輪をかけてどの楽章もすばらしく、圧巻だったのは4楽章。なんせ一番前の席にいるので、
第1ヴァイオリンの矢部達哉氏の演奏に目を見張ると同時に、今まで聴こえていなかった第1ヴァイオリンのメロディを聴くことが
できたのでまた新たな5番像が自分の中に出来上がったような気がする。
余談だが、ここ最近出演していなかたチェロの高橋さんが演奏をしていました。・・・じつは隠れファンなのです。うほ
帰りは銀座1丁目まで出てタリーズでお茶してディーヴァーの『ボーンコレクター』を読む。上巻を読み終わる・・・