読了 スチュアート ウッズ 『警察署長』

警察署長〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

』　

警察署長〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

アメリカ南部の片田舎を舞台に、３代の警察署長を巡る人間ドラマ。
無差別殺人をストーリーにうまく絡ませて、差別問題や政治のかけひきといった
社会派的な要素も十分に楽しめた作品であった。
虫害で先祖代々の牧場を手放し、新興の町デラノの警察署長になった人物から
物語が始まる。ひょんなことからヒッチハイカーを狙った猟奇的な無差別殺人
の犯人を見出し、逮捕に向かうや思わぬ悲劇に遭遇・・・犯人は闇の中へ
その息子が成人をし、政治家を目指す中、人種差別によって引き起こされる
新たな事件・・・アメリカ南部の町の黒人差別の問題を背景に展開される、政治と
捜査の一大スペクタクルに時を忘れて読みふけった。
小説の構成はまるで手の込んだ織物のようで、まさに鮮やかな糸を丁寧に組み合わせ
た芸術作品に仕上がっている。
いやー面白かった〜♪