読了9 北森 鴻 螢坂作者: 北森鴻出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/09/22メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (33件) を見る

三軒茶屋のはずれにある「香菜里屋」のマスターである工藤哲也が、店の常連たちの
周りにおこる出来事を解決していくという短編集。「螢坂」「猫に恩返し」「雪待人」
「双貌」「孤拳」の5編からなる。「香菜里屋」で出てくる酒と肴は粋なものばかり。
そして客を満足させ、居心地を良くする工藤の粋なはからいは、のん兵衛ではない
自分でも通ってみたくなる。まさに隠れ家的な存在の店となっている。
この作品は、図書館でふと手にしたものだが、そうやら「香菜里屋」シリーズの3作目
にあたるらしい。
粋な店の場面設定だけあって、それぞれの短編は哀愁たっぷりのストーリーである。
居心地の良い場所を提供できる「香菜里屋」みたいな店のマスターもなかなかいいなぁ
と、自分の店だったらなんてことを創造するのも一興である。