人情噺

読了48 大倉崇裕『やさしい死神』

やさしい死神 (創元クライム・クラブ)

やさしい死神 (創元クライム・クラブ)

落語をベースにした大倉作品だが、今回実に読み応えのあるいい作品
となっているように思った。
親子や師弟の情愛を扱ったものが多く、結末を読んで「なるほど」
と大きく頷ける粒ぞろいの作品だった。
また、いつも編集長の後追いばかりだった主人公「緑」の活躍もあって
主人公も作者も大きな成長を遂げていると感じた。
特に2作目の「無口な噺家」の最後には、正直唸った。すばらしい!