読了60 西田俊也 『世界でいちばん淋しい遊園地』世界でいちばん淋しい遊園地作者: 西田俊也出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/12メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (19件) を見る

この本には、閉園を迎えざるを得なかった時代遅れの遊園地にまつわる様々な人々
が、小さなエピソードで描かれている。
遊園地を世の中からの逃げ場にしていた若者、遊園地の管理人として最後を看取る老人
などなど・・・それぞれの話がしんみりさせる話で、かつそれぞれの話があらゆるところで
つながっているので本一冊を十分堪能できる仕組みになっている。
たしか、歴史家が未来はこちらへものすごい速さで迫ってくる。過去は決して動かない・・・
というような意味の言葉を残していたと記憶しているが、昔を思い出し、懐かしむのは
唯一人間の特権のような気がしてならなかった。
人は辛い過去でさえも、時間がたつと懐かしく思えてくるものなのだ・・・
自分にとっての遊園地にも、楽しく、切ない思い出がいっぱいあったなぁとしみじみ
思う・・・