読了79 竹河 聖『闇の影』闇の影 (角川ホラー文庫)作者: 竹河聖出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1995/08/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る

図書館の「夏に怖い話」というコーナーで手にした本である。遺産相続のため、
孤島に呼び集められた人々。島に向かう船の中で見る、得体の知れない黒いもの。
遺産をあてにする親族は、次々と人格を変え、殺人劇へ・・・巫女的な気質をもつ
ものに相続する権利があるという遺産とは何か。という内容であるが、読んでいて
情景描写や心理描写がもうひとつという感を持った。鈴木光司の『リング』だったか、
人気の無いマンションにひとり乗り込み、部屋を見て回る作者の足にふっと触れる何かが・・・
という情景は怖かった。得体の知れないものの怖さはまさに情景描写で不安を煽り立てる。
このことを再確認した次第である。その辺りがやや物足りないと思った。