月 ○

明日は十五夜だが、今日の月も格別だった。
今年は10月11日が十三夜。明日の十五夜と見ることが出来れば
いいなぁ。
ふと気づけば、部屋の喚起口から秋の虫が鳴き始めている。
いつのまにか寝ぐらにしたのだろう。
窓を開け、秋風と共にヴェルディ弦楽四重奏を聴く。
もの悲しくも美しい響きのこの曲は最近のお気に入りである。
ヴェルディの曲ではリゴレット第1幕第2場でリゴレットと娘ジルダが
歌う二重奏が一番好きだが、この曲はオペラとは違って思うがままに
ヴェルディが作った面白さが味わえてなかなかのものである。
アイーダ」の公演が歌手の病気で延期になった合間に作曲したものらしいが
それだけに自由に作られた雰囲気があって、ヴェルディの感性そのものを
愉しむことができる。