2008-09-20 読了86 澤田 ふじ子 『大盗の夜』大盗の夜 (光文社文庫)作者: 澤田ふじ子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2004/11/12メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る 安倍晴明を祖とし、幕府より朱印状を授けられ、全国の占い師を統括する陰陽師の一族土御門家。 その京都触頭の笠松平九郎を主人公に、次々と起こる事件の解き明かす時代小説。 夢枕獏風の陰陽師ではなく、江戸時代に活躍した史実に基づいた陰陽師は、易者姿で京の治安に 目を配り、市井に生きる人々を陰で支える集団であることにまず驚いたが、オムニバスで描かれ 連作になっている個々の話は人間味あふれる話が多く大いに楽しめた。 以前テレビで、何かにとり憑かれた人を陰陽師が除霊するのを見たが、江戸時代における陰陽師 の姿を知ることで、なるほどこうやって陰陽師は生きながらえていたのだなと理解した。