写楽

東洲斎写楽は寛政6年(1794年)に突如出版が開始され、たった10ヶ月という期間内に集中
した作品はその後ぱったり・・・という謎の浮世絵師である。
その写楽の正体をめぐり若い研究者が謎を解き明かしていくことが物語の大半を占める
ミステリー作品を読む。
東洲斎写楽という名を捨てた絵師は秋田に存在した。今では名を忘れ去られた絵師の
背後を探ると、田沼意次や平賀源内などの人物が見え隠れし存在証明は果たせたかに
思えた・・・が。
意表をつかれた作品にだまされっぱなしだった。江戸川乱歩賞受賞作だけにさすがである。