読了 吉村昭『関東大震災』新装版 関東大震災 (文春文庫)作者: 吉村昭出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/08/01メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 114回この商品を含むブログ (58件) を見る

時間がかかったがやっと本書を読み終える。関東大震災で多くの死者を
出した被服廠跡は、出身中学校のまん前にあり、小さい頃から9月1日に
慰霊祭が行われ露天が1キロメートルほども並んでいたのだが、ここに
多くの方がどのようにして被災したのかが克明に記録されていて、改めて
関東大震災の怖ろしさを痛感するとともに、災害時の人間の心理について
深く考えさせられた。
前半、逃げ惑う人々とその被害状況、後半は被災語の風説被害、特に朝鮮人
社会主義者に対する虐殺事件が書かれているが、災害時における集団ヒス
テリー状況の恐ろしさは、想像を絶するものであった。
春先に久しぶりに震災祈念堂の資料館を見てきたが、本書を読んでもう一度
訪れなければと思った。
読了に時間がかかったのは、本書の気になった記述をホームページなどで
確認しながらであったが、意外にも写真等が多く公開されていて、記述その
ものを目にすることで、より感慨深く読むことができた。
60年周期で大きな地震が来るとのこと・・・そろそろ地震について考えて
おかなければならないかも知れない。