読了  ケンフォレット『針の眼』針の眼 (創元推理文庫)作者: ケンフォレット,Ken Follett,戸田裕之出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/02メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (18件) を見る

「針の眼」と呼ばれるドイツのスパイの物語である。第2次大戦中イギリスに
送り込まれた多くのドイツスパイが、イギリスの諜報機関に捕獲され二重スパイ
にされてしまっている中、唯一数年にもわたり本性を暴かれずに活躍した優れもの
のスパイが「針の眼」である。彼は用心深く、冷酷であり続けたことで、英軍に
尻尾をつかまれずいた。そして、彼に与えられた任務が連合軍の上陸地点に関する
情報であった。カレーなのかノルマンディなのか・・・
物語の中で連合軍がその動向をさぐるドイツをかく乱するために張子の戦車や軍艦を
用意したことについて描かれていたが、知らなかった。数万人が終結していると見せかける
作戦もまたすごいなと感心した。その極秘情報を探った「針の眼」が本国へ連絡すれが
上陸地点に部隊を集結させられ連合軍はひとたまりもなく撃退させられる。
情報を写真に収めた「針の眼」が本国へ戻ろうとした矢先、嵐がやってくる。その嵐で
ドイツ潜水艦との接触が果たせず漂流し、漂着した島で助けられた「針の眼」がとった
行動とは・・・
後半の手に汗握る展開は、まさにスパイ小説の醍醐味だろう。緊迫した臨場感を
たっぷり味わうことのできる小説であった。脱帽・・・