読了 シェイクスピア『ジョン王』ジョン王 (白水Uブックス (13))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る

歴史劇である。正式な題名は『ジョン王の生と死。英国では悪名高い王が主人公である。
今ではあまり上演される機会がないとのことだが、英国の歴史上重要な時代に生きた
王の物語である。その時代こそ歴史の試験でかならず登場するマグナ=カルタに関係する
人物こそジョン王であった。
フランスの領土をことごとく奪われ、諸侯から庶民にいたるまで不満を買い、強圧で抑えようと
するジョンを見限って諸侯は内戦をはじめ国は乱れに乱れる状態となった。
結局、1215年6月15日にマグナ・カルタ(大憲章)を認めることで和解となる。
マグナ・カルタとは王の自分勝手は許しませんという取り決めであるが、実は
次第にうやむやになっていき、結局シェイクスピアの時代にはほとんど反故という状態だった
らしい。そういった背景からか『ジョン王』には、一切マグナ・カルタに関する記述が
ない。シェイクスピア自身がマグナ・カルタを知っていたのかも疑わしい・・・
というわけで、英国の歴史としては一大転機に在位した王であり、そういった意味で
展開が面白かった。