読了 シェイクスピア 『夏の夜の夢』夏の夜の夢 (白水Uブックス (12))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (12件) を見る

有名でありながらなかなか読む機会のなかった作品であった。
メンデルスゾーンがこの作品を読んで16歳で『序曲』を作曲した話を
知っていただけに、100%御伽噺かと思いきや、結構人間くさい部分も
ある話であることがわかって驚いた。
人間世界と妖精の世界が入り混じった摩訶不思議なお話なのだが、シェイクスピア
をここまでほぼ制作年順に読んできて、じつに異色の作品であり、シェイクスピア
こんな話が書けるのか、いや本当に彼の作品なのかと戸惑いすら感じた。
17,18世紀の頃としては、今でいうディズニーの世界のような存在であったかも
知れないが、現代に生きる大人としての自分はいまひとつ面白みに欠けたというのが
正直なところであった。っま、歴史的な作品としての価値として受け入れることにした。
ところで、メンデルスゾーンの曲であるが、有名な結婚行進曲などは、若い頃の作曲に
跡でつけくわえられていたのは知らなかった。
それに、作品名は正式には『夏の夜の夢』であり、坪内逍遥訳をはじめ古い翻訳から
今まで多く見られた『真夏の夜の夢』ではないというのも知り驚きだった。
表題の『A Midsummer Night's Dream』のA Midsummer はdayをつけると夏至のことらしい。
ヨーロッパでは夏至の日、妖精の力が強まり、祝祭が催されるという言い伝えがあるのが
このお話の核となっているための表題とのことである。なるほど・・・・