読了 シェイクスピア 『から騒ぎ』から騒ぎ (白水Uブックス (17))作者: ウィリアム・シェイクスピア,小田島雄志出版社/メーカー: 白水社発売日: 1983/10/01メディア: 新書 クリック: 8回この商品を含むブログ (7件) を見る

舞台はシチリア島メッシーナ。知事レオナートのもとに凱旋帰国途中のアラゴン大公ドン・ペドロ一行が到着。一行の中の主人公クローディオ伯爵はレオナートの一人娘ヒーローに一目惚れ。クローディオが恋を打ち明けられずにいるのを知った大公ペドロは仮面舞踏会でクローディオに変装し、ヒーローに求婚するという策に出る。策がうまくいきクローディオとヒーローはいよいよ結婚と相成ったが、それを知った大公の異母弟悪賢いドン・ジョンは結婚をぶち壊してやろうとヒーローがあたかもふしだらであるように一芝居打つ。計画は成功しクローディオとドン・ペドロは怒りと悲しみに打ちひしがれる。ところが芝居を請け負ったボラチオが仲間にうっかり計略の詳細を話しているところを夜警に聞かれて逮捕。あっさりと黒幕がドン・ジョンであることを白状してしまう。しかし、せっかくわかった計略もうまくクローディオに伝わらず、結婚当日にクローディオは何も知らないヒーローを面罵する。すべてジョンの陰謀だったことを知ったクローディオだったが、いわれなき罪をかぶせらられたヒーローは死んでしまったという。取り返しのつかない過ちを認めるクローディオに告げられた提案とは・・・・この話はもう一組の男女、ヒーローのいとこ勝気なベアトリスとクロディオの友人である弁のたつベネディックがおり話をうまく絡めながら展開される。このふたりはのちにベルリオーズによりオペラ「ベアトリスとベネディクト」として独立した話になる。序曲を聴くとなるほど劇中のふたりの口げんかの様子伝わってくる。『から騒ぎ』は最後にめでたしとなる喜劇であるが、どんでん返しがなかなか奇抜で、話としてはうまくできている。