小朝の独演会

仕事が終わった後、文化会館の春風亭小朝独演会へ。
本日の演目は「桃太郎」「三枚起請」中入り「芝浜」小朝の独演会はこれで連続3年通っているが、毎回話の展開のうまさに感嘆している。
今回の桃太郎の話でも、現代の親子関係などをうまく入れながら、流れるような
話の展開がすばらしかった。
「金坊、おじいさんは山へ芝かりに、おばあさんは川へ洗濯へいきましたとさ」
「おとうちゃん、そんなこと言っていいのかい?それじゃ環境破壊だよ。もっと夢がもてるように、おじいさんは山へ植林に、おばああんは川へサケの稚魚の放流に行きましたとかさぁ・」
など、なるほどという話の中身で、笑わせるのは流石である。
ところが、「三枚起請」や「芝浜」という古典落語では、打って変わって言葉の節回し、しぐさ、声色
でみごとな人物表現と感情表現を見せる。
花魁が、自分のうそをごまかし慌てている様子から、急に居直る表現や、芝浜のおかみさんが旦那に今までだましていたことを泣きながら謝る場面は、まさに小朝の力量にうなった。
どんな世界でも、オーラのある人がいる。同じことをさせても、ずんと伝わってくるものが違う。この違いは素人でもわかる。小朝は若い時分からそのオーラが感じられていた。
今、まさに円熟した小朝を見ることができる。また来年も文化会館で見たいものだ。