プログラム1

シンフォニア・ヴァルソヴィア 指揮;ローレンス・エキルベイ
アクサントゥス室内合唱団
ベートーヴェンヨーゼフ2世葬送カンタータ
ベートーヴェンカンタータ「静かな海と楽しい航海」
ヨーゼフ云々の曲は、ベートーヴェンが10代後半に依頼されて作曲したが、結局演奏すべき追悼式に間に合わず、演奏されないまま忘れ去られ、楽譜が19世紀に発見されてから演奏されたという珍しい曲で、演奏自体もほとんどされない曲らしい。歌詞をおって聴いていると、死者に魔物が襲い掛かり、それをヨーゼフは勇敢に退治するなどという現代では通用しないであろう内容だが、曲はなかなか良かった。特にソプラノを中心のアリアは天上の調べのごとく美しい響きであった。また、「静かな海と楽しい航海」では、合唱とオーケストラの掛け合いがすばらしかった。ソプラノ、アルトとバス、テノールそしてオーケストラが時にささやき合い、幾重にも重なりながらの展開はさすがベートーヴェンとうなった。解説には静かな海は凪の様子で、苦しみを表しているそうな。凪から風が吹き楽しい航海へというベートーベンの得意の苦難を乗り越え歓喜の歌パターンで、華々しく高らかに終末へ。
指揮のエキルベイは合唱団を率いての登場であったが、オーケストラと息もぴったりでいい演奏をしてくれた。(プログラムを見ると昨日も同じメンバーで演奏している)昨日もこのオケについて、その素晴らしを語ったが、今日もまたポーランド人の実直さが十分にじみ出ている、まじめ一筋のオーケストラという印象を持った。ベートーヴェンはこういう職人気質のオーケストラで演奏されるのがもっともふさわしいと思う。アンコールに応え合唱曲を演奏してくれたが、いったい何の曲だったか・・・今調べているところである。ドイツ語であったことからミサ曲ではないのだとは思うのだが・・・