プログラム2

堤剛(Vc)ブリジット・エンゲラー(Pf)
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番 イ長調
さすが堤剛だという演奏だった。エンゲラーのピアノとも意気はぴったりで、両者のテクニックのしのぎあいの中から、より高いものへと昇華されたチェロソナタとなったようだ。特に自分は3番の3楽章に感動した。そのテンポたるや、これは神業とばかりのすさまじさ。チェロの高音域でのあの指さばきは何なんだと、目と耳を疑いつつ身を乗り出して聴き入ってしまった。聴き手は演奏者にぐいぐい引っ張られ、自然とその音楽に一体化していくような錯覚を覚えた。すごいすごいすごい!まさに音楽に命が吹き込まれたという演奏とはこのことなのだろう。脱帽・・・・