コンサート

入場の際にもらったプログラムでは、休憩前にアイネ・クライネ・ナハトムジク、モテット「エクスルターテ・ユビラーテ(踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ)」ピアノ協奏曲第20番であった。よかった〜なんせこれを聴きにきたのだから。座席は当然第1列目の中央を確保した。まずは1曲目、最近自分でも演奏したのでチェロのパートばかり気になっていた。4楽章がかなりの速さで驚いた。コーダのチェロ、コントラバスはかなり難しいフレーズがあるのだが、さすが自分とは違って、この速さでも軽がる演奏していた。(当然か・・)まっアイネクはいいです。今日のメインイベント森麻季さまの「エクスルターテ・ユビラーテ」。今日は真っ青なドレスも艶やかに登場。この前トリフォニーでは12列目であったのであまり感じなかったが、今日すぐ間近に森麻季さまがいるのを拝見し、とても小顔なのにびっくり。そして、第1楽章・・・この第1楽章の出だしがたまらないメロディである。前奏からソプラノの入り「エ〜クスルタ〜テ〜・ユ〜ビラ〜テ♪」わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、目の前で聴こえるあのきらきら輝く歌声が・・・だめだぁ〜目を瞑ってしまう・・・1列目で聴く森麻季さまの声は、まさに天上の声でした☆☆☆こんなに、歌声に魅かれたのは生まれて初めてです。お腹から声を出すとか言いますが、どうもお腹と胸の間辺りからと言うのが本当ではないのか・・歌う姿と、聴こえる歌声からしてそう思えた。この曲については、いろいろなソプラノを聴き比べ(2月11日に記す)てはいるが、自分はこの森麻季さまが一番だ。今日は、その声をほんの5メートル先で聴くことができて感激であった。ステージに近いと、音的にはどうなるのだろうかと不安であったが、ソプラノの声は間近なほうが良かった。2楽章では、ゆったりとのびのある歌声で、ほんのり物悲しい旋律をていねいに歌いきる・・・ここはさすが実力派だと唸るしかない・・・そして、アレルヤ。声をころがし、すぱっと高音に狙い打つテクニックで、圧倒されつつ終わる・・・自分は、今まで演奏後に声をかけたことは一度もなかったのだが、今日思わず叫んでしまった「ブラーバ」。女性にはブラーバだと思っっていたのだが・・・いいんだよね。初めて声を出してしまった〜♪本当にすばらしい歌声だった。でも、残念だったのは会場の人の入りが少なく、拍手もすぐに鳴り止んでしまったこと。これがサントリーホールだったら何回もカーテンコールをするところなのだが、周りに合わせて拍手をやめなくてはならなかったのは残念だった。それにしても森麻季さまはもっとCDが出ないかなぁ〜
3曲目は伊藤恵によるピアノ協奏曲20番。この曲も大好きなので、じっくり味わわせてもらった。しかし、歌声と違ってピアノが目の前で鳴るのは、音のバランスからまずい位置であった。見上げれば上げたピアノの反響板にハンマーが動くのが見える位置なのですから・・・そこで、音よりも演奏の質自体を見極めるべくじっくり鑑賞する。ちょっと気になったのが弦の足並みに乱れが時々感じられたこと、こんな間近にいるから気になったのか。
ピアノの演奏は、伊藤のバランスがとれ安心して聴くことができた。すぅーと奏でる旋律が入ってくる感じ。はっとするような霊感を感じる演奏ではないが、モーツアルトのピアノ協奏曲ではむしろ自然な美しさに身をおきたいので、ことらの演奏の方が自分は好きである。
この演奏で、うむ〜いいねぇと思えたのは第3楽章の木管が奏でるコケティッシュな旋律の部分。この部分は何回か繰り返されるのだが、オーボエファゴットの演奏がとてもいい感じで聴こえた。総じて、自然体なモーツアルトを聴いたという感想を持った。いやいいのだ、会場にはたくさんの地元のおじいちゃん、おばあちゃんが集まっていたのだから。モーツアルトってやっぱりいいねって思える演奏だったから。そういえば、高校生の頃20番の暗い感じが嫌いであった自分が、文化会館で都響の演奏を聴いて好きになったという経験を思い出した。やはり目の前の演奏を見て・聴くのは大切なんだよな・・(おっと話がそれている)ここまで聴いて、急用のためにとんぼ返りする。後半もたぶん森麻季さまのソプラノが聴けたのだろうが、自分はもう今日の「エクスルターテ・ユビラーテ」で十分満足した。そのくらい良かった♪満足の余韻を楽しみながら帰途を急いだ・・・・
今度は9月20日にオーケストラ・アンサンブル金沢(オペラシティ)でまた、エクスルターテ・ユビラーテを聴かせてください。森麻季さま・・・今度は10列目に陣取っております。それまで楽しみにしております。