読了
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/01/30
- メディア: 文庫
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一時期社会問題となった個人破産をテーマに、人間の失踪劇がスリリングに描かれ、500ページがまさにあっという間に思えた。いつも、最後の最後まで、結末がわからないままぐいぐい読み手を引っ張る宮部女史のストーリー展開だが、中でも傑出していた作品のように思えた。ただ、へそまがりかもしれないが、弁護士役の台詞を通して懇切丁寧な説明が多かったのは、破産について勉強になったとはいえ、教科書的な記述になっているような感じを受け、小説として徹するにはどうだったのかなぁと思うところもあった。
しかしながら、満足度は十分の作品であった。