読了『チーム・バチスタの栄光』

チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

このミスがすごいの第1位!という帯を見て購入したが、さすがに現役医師の描く病院内のリアリティある情景描写に引き込まれていった。その中にあって、主人公田口医師と捜査に活躍する白鳥氏のアンバランスなコンビが妙にマッチしていて、読み終わっても「おふざけ」が過ぎているのではと思わなかったのはなぜかと不思議である。そこが著者のうまいところなのだなぁとあらためて感心する。医療事故か殺人か?から話は始まるのだが、いったい何が問題なのかと出だしは判然としない。多くの読者は、この話はどこへたどり着くのか皆目わからないまま読み進めるのではないだろうか。面白さは中盤「白鳥」の登場からである。最後の最後にうぎゃーと驚かされるという展開だが、この本の面白さはそこへたどり着くまでの面白さにウェイトがあったようにも思える。
審査委員が満場一致で決定したこの「ミス大賞」作品とのこと、1200万円の賞金は何につかわわれるのか・・・・・そちらも興味をそそる。