読了

『死のレッスン』
作者: ケンイングレイド, 河合修治,
メーカー/出版社: 中央アート出版社
題名に魅かれて借りてきた本であるが、実際に起きた事件と裁判の様子が描かれている。
ティーンエージャーの恋心を利用した若い主婦による亭主殺人事件だが、最近多い主婦による殺人事件とオーバーラップして、興味深く読んだ。あとがきには事件を客観的に論評している箇所があって、本当に有罪なのかどうかは本人しか知る由も無いと結論を下していた。
であれば、陪審員による判決の方法についても問題を提起している事件とも思われる。
弁護士、検察双方の芝居がかった弁論が、一般の市民の公平な判断を揺るがしているような場面もあって、自分がその立場になったとき無罪をどう証明するかの難しさをあらためて感じた。また、日本もこれからは陪審員制度が導入されることだが、自分が陪審員になったときに見てくれや、話しぶり、目つきなどで正確で、公正な判断が下せるか複雑な気持ちになった。人が人を裁く難しさを考えさせられる・・・・