都響♪

4月になって初めてのコンサートであった。久しぶりのコンサートでウキウキしながら行く。
都響プロムナードコンサート
指揮:ジェイムズ・デプリースト  
ピアノ:アレクサンダー・ギンディン
モーツァルト:歌劇『魔笛』序曲
おお!久しぶりのこの響き。冒頭のファンファーレが響き渡る〜。デプリーストのきびきびした魔笛で心弾む・・・出だし快調!
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調
ショパンの1番はロマンティシズム全開の曲なので、マエストロとピアニストの相性がどうでるか楽しみであった。1楽章前奏の後ゆったりとしたピアノの演奏が続く。やや硬さが見られるように感じたが、2楽章の哀愁漂うメロディではギンディンの落ち着いた演奏が実にすばらしい。心に染み渡るような演奏。途中ファゴットがピアノと掛け合いをする箇所で、いままであまり気にしなかったファゴットのメロディに酔いしれる。終楽章ではテンポよく切れの良さが際立った。演奏の特徴なのか、音の強弱が他の演奏家よりも明確に出ていたような気がした。頭に染み込んでいる曲なので、自分の中にある演奏を規準にしてしまうと、ギンディンの演奏は意外な表現に聴こえた。
アンコールにはラ・カンパネラが演奏されたが、これにはぶっ飛んだ。強弱を上手く使いつつ、すさまじい速さの指遣いで今まで聴いたことのない迫力のあるリストだった。きっとリストもこんな演奏をしたのかもしれないと思った。演奏後の聴衆の拍手も尋常ではなかった。ブラヴォー この人の持ち味が最大限に発揮されていたと思う。今後も注目していこう。
ブラームス交響曲第1番ハ短調
おお、この1楽章冒頭のブラームスの和音よ!魂のこもった重厚な音であった。2楽章の繊細なメロディもぐっと迫ってきた。特にオーボエの哀愁漂うメロディとコンサートマスターのヴァイオリンはこの曲に花を添えていた。圧巻はやはり4楽章。ブラームスはこの曲を完成させるのに十年以上費やしたと聞いていたが、まさに最後のコーダにすべてが開放されるかのように、徐々に高まりを持たせるマエストロの演奏はさすがだ。
今日は演奏も良かったが、あらためてブラームスの1番の魅力に触れられたような気がする。その曲の持ち味、旨みを感じさせてくれる演奏・・・それがいい演奏なんだなと思う。
○アンコール フィガロの結婚
この曲は、マエストロは指揮をしていないようであった。楽団員がまるで指揮者に聴かせているようで、後ろからだとそう見えた。演奏後に指揮者も感謝の気持ちを示しているようなそぶりもあったが果たして真相は?
演奏の様子を見ていると、都響のメンバーが実に家族的な雰囲気で愉しんで演奏している様子が感じられた。都響ってそんな感じの楽団だから、なんか暖かい。
今年はプロムナードコンサートの年間チケットの他に、芸術家の肖像年間パスも合わせて購入した。