ラ・フォル・ジュルネ3

mozart252006-05-06

最終日・・・・

■公演412
東京都交響楽団 指揮;井上道義 ビルバオ合唱団
レクイエム
いや、すばらしいレクイエムだった。自分でも合唱に参加したことがあるので、歌詞カードを見ながらテノールのパートを一緒に歌った気分で聴いた。
井上と都響、そしてスペインの合唱団のコラボレーションは、実に鮮やかで、この曲の美しさを十二分に引き出していた。
特筆すべきはソプラノのJ・ゾマー、なんと艶やかなすばらしい歌声だろうか・・・
ラクリモサの美しさはまさに天上からの歌声かのようだった。
合唱団の意気もじつにあっていてDies IraeやDomine Jesu Christe は迫力のある歌声だった。
Aホールだったが、この広い会場に歌声がよく響き渡り、後部の席にいても十分熱気が伝わってきた。
いい演奏を聴くと思うが、その曲自体がすばらしい作品だと感じたときは演奏もすばらしいのだと思う。今日は、レクイエムの魅力をあらためて感じた。
実にすばらしい演奏に出会えて幸せな時間だった♪
■公演413
ポワトゥ=シャラント管弦楽団 指揮;飯守泰次郎
フィガロの結婚」序曲
交響曲第41番「ジュピター」
確か1年前も同じ会場で思ったが、自分には飯森氏の指揮はあまり好きではない。
指揮ぶりがせわしなく、出だしを各パートに伝える時が特にそうだ。まあ、指揮ぶりはよしとしても、今日のジュピターは弦に活躍して欲しいところを金管がすさまじい音量で自分のパートを主張したり、全体的に大味な演奏だったように思う。
東京文化会館シューマンのラインを聴いたときは、飯森氏の音楽もいいなぁと思ったが、今日のはどうもいただけない。昨年はエロイカ都響で聴いたが、その時もいまひとつだったと記憶している。
こんな大きな会場で演奏するので、音量をいつもより出そうと工夫しているのかどうかわからないが、1時間前に聴いたレクイエムの柔らかでありながらエネルギーが伝わった演奏と比べると、その違いは歴然だった。
飯森氏のシューマンの時のような指揮を期待したい・・・
ラ・フォル・ジュルネのあり方について
この3日間、それぞれの演奏で感じたことだが、実にマナーが悪い。
まず、子どもの騒がしさが気になったのだが、その横で平然と音楽を聞いている親にあきれた。ラ・フォル・ジュルネはお祭りだと思えば、クラシックを普段聴かない人たちや子どもも参加して盛り上がるのは結構だが、最低のマナーは守るべきであろうし、子どもに演奏中のマナーを教えるのは連れてきた親の責任だと思う。
パンフレットには6歳以上とか3歳以上入場可とあるが、無法地帯では無いのであって周りの聴衆の迷惑を考えない保護者には子どもを連れてくる資格はないのではないだろうか。
子どもだから、多少声を出したり、動くのは仕方ないだろうが、それをいい機会として聴くときマナーを教える保護者でありたい。中にはきちんと子どもを躾けている親もいるし、どうしようもないとなるとさっと抱えて会場の外に出る親もいたので、全部がそうではないが、騒がしい子どもの親は、自分が聴いているのに夢中になっているか、注意しても「だめよ」と申し訳程度でまったく子どもには伝わっていない場合が多い。
大人にもフラッシュをパチパチたいて写真を撮りまくっている方々が目立ったが、いい演奏の後だとなおさら哀しい・・・
たくさんの人がクラシックを楽しめるラ・フォル・ジュルネであるが、残念に思って会場を後にする人がいなくなるようになって欲しい・・・・