ラ・フォル・ジュルネ2

第2日目、今日も実にいい天気である♪
■公演343
ブルターニュ管弦楽団 指揮;下野竜也 ホルン;エルヴェ・ジュラン
ホルン協奏曲第3番
交響曲25番
ホルン協奏曲は天才デニス・ブレインでレコードが擦り切れるまで聴いてきた。今日の演奏はいかに・・・
出演者解説に本日のホルン奏者エルヴェ・ジュランについてフランス国立管弦楽団の主席ホルン奏者で甘い音色で木管楽器を思わせるようなフランスの伝統的なホルン奏法を継承とあった。まさに柔らかな音色のホルンを聴かせてくれた。第1楽章は音が転がってしまうことがやや気になったが、2楽章から終楽章は持ち前の演奏でじつに伸びやかに吹きこなす。確かに木管を思わせるかのようなやさしい音色で、この曲の新しいイメージに気づかせてくれた。そのホルンを引き立てていたのが下野の指揮であったことも良かったように思う。この曲でもホルンを引き立たせながら下野のスタイルであるきびきびした演奏が良かった。
下野の25番は、切れ味のある25番だった。特に有名な1楽章はまさに下野スタイルの見せ所。決してフォルテで強調するのではなく、ぐいぐい聴衆を引き寄せる不思議な演奏であった。
■公演313
コレギウム・カルトゥシアヌム 指揮;ペーター・ノイマン
ケルン室内合唱団
ミサ曲ハ短調k.427
モーツアルトのミサ曲や宗教曲は大好きであるが、この曲の持つ奥深さと豊かな曲想は特別である。第1曲キリの重々しい出だしに父親との確執が背景にあるのだろうと思いながら聴くのだが、第2曲のグローリアからは荘厳を、メゾソプラノが歌うラウダーマス、サンクストスのホザンナからは生き生きとした喜びをと、じつに様々なモーツアルトの横顔を覗かせてくれる。今日の演奏ではソプラノのヒョン・ミョンヒの歌声がじつにすばらしかった。
また、ノイマンの指揮の下、この曲の味を十分引き出していたように思った。最後にソリスト4人を合唱団の中に入らせて、アヴェ・ヴェルム・コルプスをアンコールで演奏。しっとりした演奏に聴き入った。いい演奏であった。