読了

ツルゲーネフ『初恋』
新潮文庫・・・すでに絶版か?
ああ、なんとふくよかな時間だろうか。ツルゲーネフの時代の長閑さよ。
時間の流れ方が違うことが、まずもってこの本から得た印象である。当時のブルジョワジーの暮らしぶりからほとばしる甘ったるい時間が、読んでいるだけで十分に伝わってきた。
話自体はありふれた青春の蹉跌ともいうべき話であったが、時代背景や、おかれた環境の違いこそあれ、若い日の感受性の強さが、昔の自分と重なり合う不思議さもまた面白かった。
家中の本の整理をしていて、ふと手にしたこの本を今一度味わってみて、また新たな感じ方を体験できたのも、また面白かった。たまには、こんな本もいいね・・・