都響の「新世界より」

プロムナードコンサート No.321
会場:サントリーホール
指揮:小泉和裕
ヴァイオリン:岡崎慶輔
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ドヴォルジャーク交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 作品95
1曲目のブラームスのヴァイオリン協奏曲では、独奏者の技巧はかなりののもので
カデンツァの見事さには驚かされた。ヴァイオリンとオーケストラのバランスはいい
のだが、1楽章では時折独奏者と若干ずれがあるように聴こえたような気がする。
2楽章は冒頭の大好きな木管の旋律はブラームスの中にあって最もロマンティックなものだろう。
その旋律は実に美しく、うっとりするような演奏だった。
3楽章は独奏者持ち前のダイナミックな演奏とオーケストラがうまくかみ合って華々しく終わる。
返す返すも1楽章が残念だった。
2曲目のドボルザークは、小泉の指揮が冴えて力強くも、実に繊細な情感豊かな演奏であった。
特に1楽章は、曲の終わりに向け次第にテンポを速めていくのにこちらも手に力が入ってしまった。
2楽章のイングリッシュ・ホルンの美しい主題はすばらしかった。都響木管はいいなぁ・・・
最終楽章も、小泉は力を抜くことなく迫力ある結尾で全曲はしめくくられた。満足のいく演奏だった。
小泉の指揮はたぶん初めてだが、この「新世界より」でファンになってしまった。
プログラムは2曲だったので、たぶんアンコールがあるなぁと思っていたら、4回目のカーテンコール
でアンコールとなった。曲はチャイコフスキーの「エフゲニーオネーギン」からポロネーズ
このアンコールは、また都響の演奏会での楽しみである。指揮者もオーケストラも少しも力まず
演奏するので、実にのびのびと楽しそうに聴こえるのである。
このポルカも、小泉の指揮はやや大げさな感じがするほど大きく、ちょっと正当から外れて指揮を
していた。それに応えるかのようなオケの楽しそうな演奏に会場も沸いた。
今日も楽しい演奏会で心もゆったりしたので、溜池山王から京橋で途中下車してお茶を飲みながら
コンサートのパンフレットをめくる。
来期は都響の会員を継続したが、読響も新日本フィルの会員も面白そうなプログラムでどうしようか
悩んだ。もう少し潤っていれば迷わず会員になりたいのだが、来年度は仕事場も変わるかなぁと考えると
平日のコンサートは避けなければならないし、土曜も難しいかも知れない・・・ううむ