2007-03-14 読了 小川洋子『貴婦人Aの蘇生』貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2005/12/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (49件) を見る アナスタシア伝説について、前に島田荘司の作品で堪能したが 今回は小川洋子版のアナスタシア伝説。 『博士の愛した数式』で感じた、小川洋子流のやんわりとした空気の中で アナスタシアが語られる。 今回のアナスタシアも、すっかり老女になっているが、彼女の醸し出す気品は 永遠のものとなっている。主人公の彼氏にちょっと変わった人物を登場させることで アナスタシアの世間離れしたところと微妙にマッチして、実に不思議な小川ワールドを 作り出している。 小川洋子の文章は、なぜか不思議にすーっと入ってくる。不思議な世界を、ごく日常の 世界と混同させる不思議な魔力を感じる。