国立近代美術館へ

今日は朝から天気も上々・・・久しぶりにチェロの練習♪
ヘンデルのヴァイオリンソナタを音楽ソフトで楽譜にし、伴奏部分をチェロで弾いて遊ぶ。
大好きな3番のアレグロイ長調なので、ト長調に移調して弾きやすくする。
曲は下のサンプルの14曲目です。興味があればお聞きください・・・
http://www.amazon.com/Handel-Violin-Sonatas-Christie-Kurosaki/dp/B00007KJPU/ref=pd_sim_m_img_1
午後から、月初め無料開館日である。国立近代美術館へ行く。

今日は音声ガイドを借りて、今まで何気なく見ていた絵画を解説を聞きながら
鑑賞する。この音声ガイドにより、今まで良く目にしていた絵画にまた別の見方が
加わって面白かった。
4階の正面にあったアンリ・ルソーの「第22回アンデパンダン展に参加するよう
芸術家達を導く自由の女神」の作品では、地上部と空の部分が黄金比で描かれている。
佐伯祐三の「ガス灯と広告」にはポスターの文字に混ぜて自らのサインを入れている。
藤島武二の「うつつ」に描かれた女性に、周りの背景と同じ色合いが使われている。
ココシュカ、 オスカーの「アルマ・マーラーの肖像」に描かれているのは作曲家マーラー
未亡人であり、マーラーの死後に製作者と一緒になっていた。などなど・・・
国立近代美術館では何度も見ている絵だったが、新たな視点が加わることでまた味わいも
違ってきた。ただ、音声ガイドでは絵画の構成や制作に関わる次代背景などは参考に
なるが、作品に込められた作者の意図などまで説明に加わると、作品を自由に自分の感性で
味わっていた思いと違いがあったので、少し煩わしく感じたのも確かだ。
深く知ることは良いが、見る側がどう受け止めるかは自由でなくてはならない・・
そんなこんなで、好き勝手な鑑賞をして回る中で、今日印象に残った絵画がいくつかあった。
■石山太柏「近郊二景(井草野・荻窪)」は、今は見ることのできない武蔵野の田園風景を
描いた作品。どちらも稲を刈り取った後の田んぼとその奥にうら寂しい遠景配し、昔ながらの
素朴な風景を描いた作品である。井草野は秋だろうか、すすきや枯れた雑草おいしげる景色
荻窪は雨に煙る、冬の寒々しい景色で構図が似ているが、受ける印象が全く違う。
時代を一瞬にして超えてきたかのような感を抱く。見たこともない景色でありながら不思議と
懐かしいのはなぜか。
■金山康喜 「アイロンのある静物」今日一番気になった作品である。机の上にあるシャツに
アイロンが載っている。手間にはハサミも見える。大きな部屋で遠くには窓があり、上から
歪んだ形の電球がいくつか下がっている。何気ない生活の中の用具が置かれ、描かれているの
だが、親しみのある暖かさを感じてしまう。じっと見ているだけで飽きない。
帰ってから金山康喜について調べた。
1926年大阪生まれ。旧制富山高校進学。美術部に属して、おもに写実的な絵を描いた。
卒業後、東京帝国大学に入学。経済学を学ぶ傍ら、油絵制作に打ち込む。
経済学の勉強のためという名目で25歳でソルボンヌ大学へ留学、油絵制作に専心。
アンデパンダン展という展覧会に出品したり、フランスで国に作品が買い上げられたり、
具象画(そのまま描かれた絵)と抽象画の間で揺れ動きつつ、その微妙な混じり具合が
高く評価され、若手画家として、評価を得つつあった矢先29歳のときに、結核にかかる。
サナトリウムで長期療養し30歳の頃からまた描き始めるが33歳で没。
この作品は、1952作なので結核にかかる直前の作品であるが、この作品からかもし出される
気品は何なのだろう。この画家はこれからも調べてみたい。。。いい画家とめぐり会えた。
今日は、大好きな 山下新太郎「窓際」や吉田博「新月長谷川利行「新宿風景」
福田平八郎「雨」にも久しぶりに会えて良かった。
なんとなくほくほくした気持ちになって日本橋へ。
丸善で本を立ち読みし、4月始まりのスケジュール表を購入。最後にCOREDOの上島コーヒー
で期間限定「苺ミルクコーヒー」を飲みながら本を読んで帰る。