アルペッジョーネ・ソナタ♪

待ちに待ったラ・フォル・ジュルネである。朝から雨が降り続いて
いたが、いそいそと東京国際フォーラムへ行く。

行きに電子ぴあで購入したチケットを交換しようとしたが、なかなか
交換できるところが見つからない。一度プランタン銀座まで出たが
結局国際フォーラムの中にあることがわかり、やっとのことでチケットを
手に入れ、会場に入ったのが5分前であった。焦った・・・
堤剛のチェロを聴くのは久しぶりであった。
小山実稚恵のピアノ伴奏で
メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 ニ長調 作品17
ウェーベルン:チェロとピアノのための3つの小品 作品11
ウェーバー/ピアティゴルスキー:アダージョとロンド J.115
シューベルト:アルペッジョーネ・ソナタ イ短調 D821
1曲目のメンデルスゾーンの躍動感にあふれた演奏はすばらしかった。
出だし、ピアノの伴奏からチェロが低い音をひねるところなどは、うーん
とうなるような思いがした。変奏曲なので主題をもとにさまざまなバリエーション
が奏でられるが、それぞれにチェロの響きの面白さが出ている。
3曲目のウェーバーアダージョもいい曲だ。堤氏の顔を右に向ける独特のしぐさが
また、アダージョの演奏に味わいを出しているようだった。
そして、一番楽しみだったアルペッジョーネ・ソナタ。この曲をはじめて聴いたのは
いつだったろうか。切なくロマンチックな旋律に感動した覚えがある。
今日の演奏も実によかった。ややゆっくり目のテンポでピアノの伴奏が始まり
堤氏の目を瞑り主題を弾きはじめてから、自然と自分も音楽に入っていくような
不思議な感覚だった。
時々、高音の部分の音が甘い感じがしたが、演奏全体はさすが堤剛という哀愁と力強さ
がうまく溶け合ったいい演奏だった。