読了41 三浦 明博 『サーカス市場』サーカス市場作者: 三浦明博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/03メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る

隠れ家というのはいくつになってもわくわくする。謎めいた
町であるサーカス市場なんていうのがあったら、怖いもの見たさで
行ってしまうかもしれない。そんなわくわするような場面設定で
描かれたのが本作である。
とある日、二人の若者が絶世の美女を巡ってサーカス市場に足を
踏み入れてしまう。騒ぎに巻き込まれながらも、どこか懐かしいような
不思議な空間に魅了されてしまう二人。物語の出だしはそんなところである。
そのサーカス市場を舞台に、不思議な住人と不思議な空間が短編の連作で
描かれる。ひとつずつ読み進めていくうちに、次第にこのサーカス市場に
ついてわかってくる。どうも、作者が仙台出身ということで、仙台にある
ようだが、場末の路地をさまよいながらたどりつくサーカス市場の物語は
なんともいえない魅力を醸し出している。
隠れ家が好きな方には、場面設定だけでも楽しめる作品かも。
自分は結構楽しんで読めた。