シューベルト ピアノソナタ3

今日は7番から・・・
7番ははじめ変ニ長調で書かれたD567と
D568変ホ長調がある。移調したD568ではところどころ改変が試みられ
ているようであるが、一番の違いは3楽章にメヌエットを入れられた
ところである。
ピアノの使い手にはD567の方が黒鍵を多用する分運指がたやすいらしいが、
聴き比べてみると自分はD567の方の音色の方が
好きである。特に1楽章の出だしは単純な主題だが耳になじむいいメロディ
ラインである。どこへいくかわからないシューベルトではなく、古典的な
作風で曲全体の構成も安定している。彼にしてみればやや古めかしいのかも
しれないが・・・

8番は1楽章の展開部かでしか作曲されていない未完成品であるが、なんと
いう切ない響きであろうか・・・嬰ヘ短調という調性自体がめずらしや。
どこかショパンを思わせるような物憂げな曲なのだが、途中から曲の進行に
変化が現れ、あまりに美しいメロディが登場する。一度聴いたら頭から離れない
印象深い曲である。

9番、1楽章、3楽章、4楽章は軽快なリズムで行進曲風なパッセージで
躍動感にあふれる。特に興味深かったのは3楽章。出だしはスコット・ジョブリン
のラグを思わせる楽しげな主題で始まる。右手と左手がじつに楽しげに会話を
しているような雰囲気が絶品である。

10番 1818年に着手されるが、2つの楽章の断片のみで終わり未完。演奏も
探したが見当たらず・・・
11番D.625としている表記と12番としてCDになっている表記がある。
12番D.655も同様に「ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調 D. 655」としてCDに表記
されているものがある。この辺りは詳しく調べてみないといけないかも。
ただ、12番D.625の3楽章とショパンピアノソナタ2番の4楽章が酷似している
のが面白い。はてさてどちらが先に作曲したのか?シューベルトは1818に作曲し
1897が出版年である。ショパン1839年に作曲、1840年に出版なので、作曲は
シューベルトが早い。しかし、出版はまだされていないので、誰かが弾いたのを
ショパンが聴いたのか?謎である・・・・