シューベルト7

いよいよ最後の2曲になった♪久しぶりに全曲を聴いて、今まで気づかなかった
シューベルトのよさを再発見できたような気がする。
■ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D. 959
最晩年、死の2ヶ月前の3曲のうちの2曲目。19番と比べるとシューベルト本来の
自由奔放なあて先の無い音の旅という感じがする。ただ、突飛な展開に驚くことも
多く、全楽章の統一性があまり感じられない。4楽章はきわめて美しい。
前述の通り4番のソナタの主題を使っているが、この楽章の方がすばらしい。
いくつか聴いたが、ピアッティーニ版の4楽章にうっとりした。

■ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D. 960
この曲がシューベルトの最後のピアノソナタなんだなぁと想いにふけりながら聴く。
冒頭の流れるような旋律はまさにシューベルトの旋律である。そして、展開部から
「おっとどこへいくのかい」と思わせるところもシューベルトだ。
1楽章の演奏時間はゆうに20分を超えるという、なんともものすごい曲だ。
冗長にならないように様々なバリエーションもここぞとばかりにあるのも一興であるが
実に長い・・・・最後消え入るように終わるが、シューベルトの死を暗示しているかのような
終わり方にも聴こえる・・・
2楽章はまさにシューベルトのため息、そして3楽章ではそれらをすっかり忘れてはしゃぎまわる。
そして、最終楽章・・・涙なくしては聴かれない。すばらしい・・・
4楽章で涙したサヤス版

モーツアルトが弾いたらこんな感じになるかな?リリー・クラウス

■おまけ タントゥム・エルゴ D. 962
3つのソナタと同時期の最晩年に書かれた宗教曲であるが、この曲は涙なくしては聴けない。
おまけにこの曲を聴きシューベルトとのピアノソナタの旅を終える。