読了102 黒川博行『左手首』左手首 (新潮エンターテインメント倶楽部)作者: 黒川博行出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

ひょんなことから犯罪を犯してしまう、いわくありげな人々の顛末が
7編の短編で描かれている。一見上手くいきそうな計略がちょっとした
見落としで奈落の底へ突き落とされる展開はそれぞれに面白さを感じる。
黒川氏の作品は以前、受賞作の『カウントプラン』を読んでいたが
物語の終わり方が、余韻を残す終わり方なのが印象に残っている。
本作でも、「このあとどうなってしまうのだろうか・・・」と、登場人物の
行く末を案じてしまうような終わり方で、夜寝る前に読むとその晩見る
夢に影響されそうだ・・・・
しかし、『左手首』などというタイトル、想像力を駆り立てられる題名で
ある。宮部みゆきの『模倣犯』の出だしをまずは思い浮かべたが、皆さん
はいかがであろうか。