読了103 佐野洋『光る砂』光る砂作者: 佐野洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

タウン誌「光る砂」の仲間たちの身近に起きたミステリーを
軽妙な筆致で謎解く短編集である。
世の中見方を変えれば、ひとつの事象を様々に解釈できるものだなぁ
と感心する。落語の季刊誌編集者による身近なミステリーを描いた
大倉 崇裕作品を思い出す。
ところで佐野氏のお名前「洋」は「ひろし」なのか?と調べてみたら
新聞社づとめの兼業作家時代に「社の用」をもじってつけたらしい。
「さの よう」なのだということがわかった。旧制一高を主席合格
東大の心理学科という学歴でありながら、じつに庶民的な文体で
昔からお気に入りの作家なのだが、久しぶりに読んでみて ほんわか
したミステリーにほっとする時間を愉しんだ。