日本人町

読了116 白石一郎『南海放浪記』

南海放浪記

南海放浪記

江戸鎖国前夜、南海の地でで一旗あげるべく長崎から御朱印船で出航する主人公の
南海放浪記。高山国(台湾)でオランダ軍の傭兵やマカオで切支丹交易商の用心棒
安南、シャムへとその放浪の旅は続く。
本書では、南海の地で日本人が以下に逞しく生きてきたかが伝わってくる。
日本人町といえば山田長政を思い出すが、作中には長政の死後における
アユタヤ(タイ中部の町)日本人町の姿が描かれている。
白石氏には双子の息子がおり、その一人は作家である。どういう因果か、枕元を
ふと見ると知らずに息子の作品『もしも、私があなただったら』も借りていた。
親子の作品を立て続けに読むのもまた一興である・・・