読了(今年はノルマを課さないので冊数はカウントしません)高任 和夫『告発倒産』告発倒産作者: 高任和夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2000/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

総会屋対応の担当部長が会社(老舗百貨店)に見捨てられ利益供与で有罪判決を受ける。
「罪をかぶってくれれば、あとの面倒はみる」という言葉を信じるしかなかったまじめな
エリートが、会社の冷酷な切り捨て工作を企てた幹部や虚偽の証言をした総会屋に復讐を
開始するサスペンスである。
警察の取調べから始まるが、外部と一切の連絡が取れない状況で会社のためと自分のための
間で煩悶とする主人公が実に切ない。会社の裏切りのからくりに復讐の矛先が向けられるが
巧妙なやり口での復讐は痛快ではあるが、やや短絡的な手法であるようにも思えた。
そのあたりにこの二日食べ過ぎの自分には、やや消化不良の感が残った。
しかし、2夜続けて寒い中、布団から出す手をかじかませながら読むほど面白かった。
総会屋は最近聞かなくなったが、こんな存在、やり口だったのかと認識を新たにした。
しかし、総会屋対応を強いられたビジネスマンの悲哀はいかほどだったろうか・・・