どうも・・・あやしい

風邪っぽく頭痛がするので念のため医者へ行く。
「食欲はありますか?」「あります」「じゃ、インフルエンザの
検査はしなくても大丈夫ですね・・・」とインフルエンザ説はなくなった。
抗生物質などをもらってのんびり過ごす。
ブリューゲルの本を眺め、宮城谷氏の『クラシック私だけの名曲1001曲』を
ぼんやり読んで、気になった曲を探しては聴いているうちに、薬が効いたのか
元気になってきた。
新しく面白いと思える作曲家、作品を見つけた。
トール・アウリン(Tor Aulin, 1866年ー1914年)のヴァイオリン協奏曲第3番
アウリンはスウェーデンのヴァイオリニスト・指揮者・作曲家である。
王立スウェーデン歌劇場管弦楽団にてコンサートマスターストックホルムイェーテボリ交響楽団で指揮者
さらに1887年にはアウリン四重奏団を結成し演奏するという面白い経歴である。
1楽章から実にロマンティックなヴァイオリニストらしい曲想が聴け、第2主題の伸びやかなメロディは
作曲家自身が歌い上げるように演奏し五線譜に書き込んでいたのだろう。どこかドイツ音楽の厳格さを感じさせ
ながら、この辺りは北欧の透き通るような風を感じると思いながら聴くと楽しい。2楽章のメロディには切ない
半音ともいうような、おっとそうくるか・・・という変則的な音の変化を加えながら、やさしい慈愛に満ちた
曲になっている。3楽章の一度聴いたら絶対に忘れられない印象的な主題を基調に、じつに快活に歌い上げる。
1楽章、3楽章とも終わり方に意外性を感じさせるが、うまくまとまっていると言えるだろう。
もっと有名になっていい曲なのだが、演奏もあまり無いようで埋もれてしまった名曲である。砂の中に見つけた
真珠かな・・・
http://ml.naxos.jp/work/486