都響♪インバル

都響サントリーホールへ行く。指揮はエリアフ・インバル
ピアノはロン・ティボー国際ピアノコンクール2007優勝の田村響
ラフマニノフピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18とチャイコフスキー
交響曲第5番 ホ短調 op.64を堪能する。

いつもの年間席とは今日は違い久しぶりにP席で聴いたが、インバルの
指揮ぶりもしっかり確認できてなかなか面白かった。
田村のピアノはさすが優勝者だけあってすばらしかった。インバルは
ラフマニノフでもチャイコフスキーでもかなりテンポが早かったが
オケもピアノもよくついていった。特にラフマニノフの1楽章、3楽章
では緩急をつけながらの内容で、アップテンポになっている箇所では
こちらから見るとピアノの右端から左端まで縦横無尽に指を動かし
まさに圧巻であった。インバルは時折指揮台の位置を調整するなど
なかなか見られない場面も見せてくれたり、指揮の間中うなり声や
メロディを口ずさんでいるのも聞こえるなど、なかなか破天荒な指揮者
でびっくりした。
ラフマニノフが終わると万雷の拍手で、何度もカーテンコールをしたあと
メンデルスゾーンの無言歌からホ長調「甘い思い出」をアンコールで弾いてくれた。
実に心地よい響きにうっとりしてしまったが、力強い演奏の後の響きとしては
実に印象的な柔らかな表現力も披露してくれたように思う。すばらしいピアニスト
である。
チャイコフスキーの5番は、各楽章間髪いれずに一気に全楽章を演奏。まずこれに
驚いた。そして、金管を前面に出すじつにダイナミックな音の饗宴の5番となった。
ラフマニノフ同様、じつに切れ味のよいテンポで突き進みながら、一瞬テンポを
大きく変化させるなど、一本調子にならない演奏はさすがインバルの手腕か。
大音響で最終楽章のコーダを締めくくるや、会場のあちこちから「ブラヴォー」が
かかり、インバル氏も上機嫌で何度もカーテンコールに登場し、楽団員を指名して
褒め称え満足のいく演奏だった様子。
久しぶりのP席でインバル氏の指揮をたっぷり堪能はできたが、音としては
ややくすぶって聞こえてしまった分残念ではあったが、十分楽しめる迫力のある
演奏であった。
心地よく帰途へ・・・いつもなら満開のホテルオークラへの坂の桜は3分から5分咲き
であった。
帰ってから無言歌と5番を改めて聴く・・・・