パリで見たからいいや・・・

昼過ぎまで仕事に行く。昨日も一日仕事関係だったので、今日ぐらいは
外出したいと友人の画伯と上野へ。
いやいやルーブルは人が多く、100分待ちとの表示が掲げてありやむを得ず
本館を設計したル・コルビュジエ展と常設展のみ鑑賞。
人物の顔の表現、特に唇の難しさに悩んでいたのでその点を特にじっくり
見て回る。
まずは光の表現でエドワールト・コリールの『ヴァニタス−書物と髑髏のある静物』や
ヘーラルト・ダウの『シャボン玉を吹く少年と静物
コルネリス・ド・ヘームの『果物籠のある静物
に感銘を受ける。質感や光の反射を実にうまく表現しているので、顔を近づけて
見続けていたら監視員の方に注意をされてしまった。とほほ
細かい描写では大好きなブリューゲルの作品に見とれてしまった。
顔や髪、唇はジョン・エヴァリット・ミレイの『あひるの子』
や隣にあった新しく購入された少女の描かれた作品が参考になった。
これらの作品に自分の興味が傾いているので、印象派の作品がいまひとつ感心が
向かなくなってきてしまった・・・
帰りに行列を見ると、まだまだものすごく暑い中よく倒れずに並んでいると感心する。
来週朝早くまた来ようと心に誓いながら、「パリで本物見たからいいや・・・」と悔し
紛れにぼそっといいながら後にする。(確かに見ていたのだろうが、あまりにたくさん
あったので見たのかどうかも判然としない・・・ミロのビーナスのお尻をすぐ目の前で見た
ことと、モナ・リザが当たり前のように飾られていたのは印象に残っているのだが・・・)
帰りに八重洲ブックセンターで本を物色した後、日本橋で芸術談義をしながら一杯
やって帰途へ・・・・