都響コンサート

指揮 梅田俊明 pfヴァレリー・アファナシエフ
ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
シベリウス交響曲第1番 ホ短調 op.39 
普段は気が向いたときに聴くことしかないロッシーニだが、今日の演奏を聴いて生の迫力に圧倒された。
コンサートホールで聞くと音の響きが増して、CDで聴くロッシーニを超えた別物を聴いているようだった。
梅田の指揮も軽快できびきびしているので、まさにロッシーニの音が躍動していたように感じたかもしれない。
2曲目のコンチェルトはすばらしかった。ヴァレリー・アファナシエフソ連を亡命したピアニストだが、その
芸術性は指揮者としても、また文筆活動でも開花させている異彩のピアニストである。
今日の演奏では、冒頭からアファナシエフの深遠な響きが心に迫ってきた。テンポはゆったりとしているのだが
その分叙情的で、詩的な雰囲気を醸し出している。まさに4番にふさわしい響きなのだ。
3楽章では一転してアップテンポで迫力のある演奏。最後の一音の残響を聴いての拍手は実に心地よかった。
哲学者風のヴァレリー・アファナシエフは、何度もカーテンコールで舞台に登場するも、聴衆に媚びることなく
はにかみながら寡黙に挨拶をするだけで、そこだけを見ていても魅せられてしまう不思議な力を感じた。
その後休憩に入ったが、昼のビールがたたったか?頭が痛くなってしまい、シベリウスを聴かずに後ろ髪を引かれながら
帰途へ・・・途中でコンサートを後にしたのは心残りである・・・残念