弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K.387

あらためて14番を、作曲の経緯を念頭に聴いてみると確かに1楽章冒頭から今までの作品とは違った
印象になっている。これがハイドンのロシア四重奏の影響なのだなと頷ける。
ハイドンはロシア四重奏曲の新しい試みとしてメヌエットスケルツォにしていたが、モーツアルト
メヌエットを従前の通り使っているが、今までのものよりテンポの指定を速くしていたり、規模も大きく
なっている。4楽章はまるで交響曲41番「ジュピター」の4楽章を思わせる曲で、フーガは圧巻である。
ただ、この辺りはハイドンの古典的な作風となっていた太陽四重奏の4楽章で見られたフーガを参考に
しているのかも知れない。斬新さを前面に出した作品にあって、古さの中にもある良さを昇華させている
のではないかと思う。
自分の持っているアマデウス四重奏団だけでなく、図書館にも行ってなどいろいろ聴いて比べてみたが
アルバンベルク四重奏団の生き生きと躍動感にあふれる演奏が良かったかな。

ハイドンのフーガもなかなか・・・でも、古めかしい
http://ml.naxos.jp/work/6581
このフーガを極めるとモーツアルトの14番のフーガになる。
http://ml.naxos.jp/work/285027