チャイコフスキー三昧

昨日も仕事だったが、今日は久しぶりに休みとしコンサートへ行く。
東京都交響楽団 プロムナードコンサート
指揮:エリアフ・インバル
ヴァイオリン:神尾真由子
曲目
チャイコフスキー:幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チャイコフスキー交響曲第4番 へ短調 op.36
インバルのチャイコフスキーは初めてだったが、なかなか良かった。
ロミオとジュリエット」 修道僧ロレンスを表すコラール風の序奏から
久しぶりに聞く生のオーケストラの音を堪能。次の激情的な第1主題から
弦と木管の掛け合い、金管を交えて次第に激しさを増し、ロメオとジュリエット
の恋を描く甘美な第2主題は、都響の弦の見せ所だった。
2曲目のコンチェルト。2007にチャイコフスキーコンクールで一位だった
神尾真由子の独奏に期待して聴く。さすがに力量はあって、堂々の演奏だった。
しかし、ところどころに見せる演奏を意識しているのが気になった。上手いのだから
自然体で弾いて「魅せる」演奏の終始してくれればなと思った。インバルとの意気も
合っているようで、何箇所か先走ってしまうような箇所もあってそこも残念だった。
だからか、1楽章の独奏が終わったあとにオーケストラで盛り上がるところがやけに
引き立って聴こえた。
3楽章のテンポとオーケストラとの掛け合いは実にダイナミックだった。
トータルでみると、技巧と力強さは確かにあったが、やや一人歩きの感があったという
印象であった。次回を楽しみにしたい。
3曲目の4番。4番の華々しさをインバルがどう表現してくれるのだろうかと期待に
胸を膨らませて聴く。冒頭のホルン4本によるファンファーレ、それを受けてトロンボーン
トランペット・・・おお、迫力あるぞ。木管が静かに次の旋律にバトンを渡すと、弦が
悲しげなメロディを奏で、木管が哀愁をこめてつなげていく・・・
今日は、いつもより楽団全体がうまくひとつにまとまっているような感じがして、音が
とてもいい。2楽章。じつはこの楽章の切なさがなんとも好きである。今日の木管
その切なさを良く出していた。3楽章。見ていて楽しいのはなんといってもこの楽章であろう。
ピチカートだけの弦と木管のコケティッシュなメロディ、金管の行進曲が入り混じって
あっというまに終わってしまった。そして最終楽章。今までオーケストラの演奏で
こんなにアップテンポの演奏を聴いたことはなかった。前任のデプリーストの迫力ある
演奏を思い出し、比較しながら聞いたが、いやはやものすごい。インバル渾身のタクトに
都響の弦が一糸乱れずついていく。最後はオーケストラが一体となって締めくくる。
いやー感動した。ブラヴォーであった。
なお、今日はアンコールが一曲も無かった。