上野

上野へ行く。国立西洋美術館で「フランク・ブラングィン」展を覗く。
絵画だけでなく壁紙や絨毯、椅子のデザインなど手がけるなかなか面白い
芸術家である。前から常設展で「しけの日」を眺めていたが、今回展示された
作品では、「海の葬送」や「造船」など海にまつわる作品に惹かれた。
「海賊バカニーア」などの鮮やかな色彩とフレアを思わせる光の表現がまたよかった。
この日は、久しぶりの暖かさで美術館を後にして上野の周辺をゆっくり散策した。
ようやく春らしい光にあふれていると感じたのは公園の噴水だった。

国立博物館を右に折れ、輪王寺の境内で桜がきれいに咲いていた。
上野公園の桜はだいぶ葉桜になっていたが、ここの桜は種類が違うのか・・・

高架を渡って、前々から一度飲んでみたかった珈琲の店に行く。
店の前には「読書、商談お断り、30分以上はお断り」という看板があって
店内の入ると「お客さん、本を手にしていますがここは珈琲を楽しんでいただくところ
ですが、よろしいですか」と店主らしき人物にいわれる。「珈琲を飲みに来ました」と
いうとやっと席に案内された。店内は焙煎の機械やコーヒー豆の袋が所狭しとならび
待つこと10分、「当店では一杯ずつ注文されてから心を込めて入れています」という
表示どおり、とても濃く、これが珈琲だと主張する珈琲を口にする。
いやいや、これが珈琲なら今まで飲んでいたのは珈琲ではない。珈琲とは違った珈琲を
堪能する。しかし、この店の主張にも驚いたが、この珈琲にも驚いた。うまい!
三日分の珈琲を飲んだような、そんな気になって店を出る。

上野駅まで戻り、ついでに岩崎邸に足を伸ばす。
ゆるい坂を上り、たどりついた岩崎邸だが、ここで明治の豪傑たちが集まったのかぁと
思うと感慨ひとしおであった。
しっかりしたつくりの邸内は趣があって、時間を忘れて佇ずむ・・・・

今日は歩いたぁ・・・へとへとになって上野広小路から帰途へ。