読了 トマス・H.クック『緋色の記憶』緋色の記憶 (文春文庫)作者: トマス・H.クック,Thomas H. Cook,鴻巣友季子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1998/03/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (39件) を見る 

97年度MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞(エドガー賞)を受賞。98年の
このミステリーがすごい!」の海外編で第2位にランクインされている。
物語は、老弁護士ヘンリーが昔を回想しつつ、当時の様子を織り交ぜながら進められる。
ヘンリーの父親が校長を勤める学校へ赴任してきた美人教師。幼いヘンリーが淡い恋心を
抱きながら見つめる、大人の恋。やがて、美人教師とその恋人は恐ろしい運命の坂道を
転がり落ちていく。行き着いた先にあったものはピューリタニズムの過酷な処罰であった。
1920年代のアメリカの世相が、じわじわと伝わってくる。読者には当時の描写がセピア
色した映画として目の前に展開される、不思議な描写力。
中川行夫氏の書評がじつに的確で、作品の背景を知るためにぜひご一読を・・・
http://homepage1.nifty.com/y_nakahara/cook10.htm