トロイラスとクレシダ

*読了 シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』

トロイ戦争7年目、包囲されたトロイの町では、トロイラスとクレシダが恋を実らせる。しかしクレシダはギリシャ側に寝返った父カルカスによりギリシャ側に引き渡される。
愛を誓い合った二人だったが、ギリシャ側に行ったクレシダの様子を伺いトロイラスは疑いを持ってしまう。話の中で描かれるギリシャとトロイの戦いは実にのんびりしたもので、何年もかけて戦う当時の戦いぶりが不思議な世界である。この戦争のきっかけとなったのはギリシャの将軍の妻ヘレナがトロイの王子に連れ去られたことらしいが、このヘレナは前夫のことはすっかり忘れ、トロイの王子にすっかり入れ込んでいるという、理解に苦しむ設定もあり、混乱劇なのか、悲劇なのか、問題劇なのか揺れ動く難解な作品となっている。どうも読後もすっきりしない・・・もやもや